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平成26年度 地域密着型金融に関するシンポジウムの開催結果について

 東北財務局では、東日本大震災からの復興や、地域経済の活性化に向けて、地域金融機関が果たすべき役割等について議論を深め、地域金融機関の取組みを後押しすることを目的に、以下のとおり「平成26年度 地域密着型金融に関するシンポジウム 地域経済の活性化に向けた地域金融機関の役割を考える~東北の復興と活性化に向けて~」を開催しました。

1.開催日時・場所

平成27年3月2日(月)13:30~15:30(於:仙台勝山館)

2.参加者の概要

215名(地域金融機関、政府系金融機関、商工団体、マスコミ関係者、地方公共団体等)

3.シンポジウムの議事次第

(1)開催挨拶

 東北財務局長   榎 本 直 樹

(3)パネルディスカッション

■テーマ
「地域経済の活性化に向けた地域金融機関の役割や課題を考える」
■パネリスト(五十音順)
 東日本大震災事業者再生支援機構 代表取締役社長 池 田 憲 人 氏
 七十七銀行 取締役頭取 氏 家 照 彦 氏
 東北イノベーションキャピタル 代表取締役社長 熊 谷 巧 氏
 河北新報社 論説委員会副委員長 佐 々 木 恵 寿 氏
 東北大学大学院
  経済学研究科教授地域イノベーション研究センター長 藤 本 雅 彦 氏
■コーディネーター
 東北財務局長 榎 本 直 樹

(パネルディスカッションの概要)

【東日本大震災事業者再生支援機構 池田氏】
 バンカーの方が企業支援に対して躊躇せずに、それぞれの金融機関でこうだという基準を作りながら積極的に取り組んでほしい。中には難しいものもあり、決して成長ばかりではないが、我々やREVICも活用しながらやっていけば企業の再生のチャンスはかなり出てくる。

【七十七銀行 氏家氏】
 地域の発展のために貢献するという座標軸が無いと地域銀行たりえないと思い、「信用」と「貢献」ということを大きな座標軸としている。今は大変な時期を迎えている変革の時期であることから、課題を乗り越えていくためには、地域のためにどう機能するか、2つの座標軸に「信用」と「貢献」ということを置いて、結果として地域から支持され、信頼されていくだろうかということを絶えず反芻しながら、活動を進めていくことが必要である。金融システムは安定していると評価しているが、復興の方はまだまだ道半ばであり、引き続き復興支援を地域密着型金融の最大の柱の一つに据えて努力を重ねていきたい。

【河北新報社 佐々木氏】
 例えば、農業の六次産業化で第一次産業の方が、第二次産業や第三次産業を手掛けようとすれば、相当高い壁がある。農業といえば、特にやる気のある若い人に脱・農協という志向が強く見られると感じている。彼らにとっても販路の確保が非常に大変だという話を聞いており、地域金融機関が持つネットワークを活用した、流通なり加工なりとのマッチングということもやっていただけたら有難い。金融機関にあっては、農業に関わらず、その地域或いは事業の現場にしっかりと寄り添って有望な事業を育てて欲しい。

【東北イノベーションキャピタル 熊谷氏】
 東北地域の活性化のためには、リスクマネーの供給が重要だと思う。
地域活性化という最大の根幹を為すのは、良質な雇用をどうやって生み出すのか、その場合に非常に重要なのは、やはり既存の企業の再活性化・再成長、それから新しい企業が出て来る、あとはたくさん雇用している企業(中核企業)を一段と成長させていくことである。東北企業の成長には必要なことがいくつかあって、1つは技術開発。もう1つは、マーケットを国内だけではなくて海外にも求める努力。それと、人材の育成が非常に大きなポイントになる。人材については、対外的な交渉を通じた人材育成と株式公開後に人材が厚みを増すことである。いずれにせよ、成功事例をもう少し知ってもらうことで、次に進むものが出て来ると思う。金融機関には、自律的な会社を育て、株式公開ということを念頭に置いた支援をお願いしたい。

【東北大学大学院 藤本氏】
 震災前からの構造的な一番大きな問題は、地元企業の革新をどうやって促進させるかにあったのではないか。それを活性化させるためには一体何が必要なのかということで、東北発イノベーションのモデルを作っていくことに真剣に取り組んでいかなければならないのではないかと考え、我々は2012年から「地域イノベーションプロデューサー塾」を開講し、事業革新を促す取組みを行っている。
 そして、この1月から地元の銀行等金融機関8社の幹部にお集まりいただいて、「地域イノベーション支援者育成プログラム研究会」を開催してきた。その中では、地域金融機関の目利き能力を高めていく起業支援をするためにはどういう能力が必要で、その育成にはどういうカリキュラムが必要なのかということを討議してきた。基本的な教育カリキュラム(「ベーシックコース」)について、講義を聴くだけではなく様々な業界の構造や収益モデルについて参加する行員の方々を中心としたグループで研究することも考えている。例えば水産加工業界であるとか金型業界、これが現在の日本ではどういう状況にあって、東北はどういう問題があって、世界でどういう状況になっているのかという業界研究を銀行の垣根を越えて分析をしていただいて、最終的には業界研究発表会ということで、他業界を担当しているグループの全員でシェアしていくことを考えている。
 また、さらに「高度な支援人材」の教育カリキュラム(「アドバンストコース」)として、「地域イノベーションプロデューサー塾」での経営者等を対象とした事業計画の策定支援プロセスに教育実習という形で参加していただいて、実際の生の経営者がどうやって新しい事業革新を発想して、どのように事業計画に下ろしていくのかについて、その支援のあり方を実践的に習得してもらうことも検討している。
 今回の研究会を中心に、カリキュラムが出来上がり次第、今年5月にトライアルをスタートさせたい。

【河北新報社 佐々木氏】
 皆さんの取組みについて、大いに期待したい。ただ、地域経済の活性化というのには、経済の好循環という好ましいサイクルが回り続けるということが大事である。資金供給にしても人材育成にしても、腰を据えて、中長期的に継続して取り組むということが大切なのではないかと思う。そうした点から言っても、地域でカネとヒトを抱えているのはやはり地域の金融機関ということになるのだろう。地域と地域の金融機関というのは言わば運命共同体である。地域が無ければ地域の金融機関も無い訳だから、そういう腹積もりで今後とも積極的に事業の育成・成長を後押しすることに取り組んでいただきたい。

【七十七銀行 氏家氏】
 今の東北地方、宮城県を中心にダイナミックな動きが出てきている印象である。それは3つあり、1つ目は、成長する分野を皆さんが探し、それが始まっているということ。医療や福祉、介護、農業、事業承継、M&Aによる事業要求拡大と、各種プロジェクトもあり、これからは地方創生のなかで各行政単位でいろいろなプロジェクトが出て来るだろう。海外に関心がある方や自動車産業への参入もしてみたいというようなこともある。2つ目は、各企業が広域的な産業活動を求めているということ。自動車産業が出てきたことが一つの象徴的な出来事である。その他、事業領域を広げたいと考えている企業が大変増えている。地方に実際お邪魔しお話を聞いてみると、活力のある企業も多く、その企業は間違いなく広域的な事業の展開を狙っていると感じる。それから3つ目は、情報に対する価値を皆さん非常に認めているということ。販路の確保も一つの情報だと思うが、私どもは情報マッチングの機会を努めて作っている。参加企業に、宮城広域の情報の価値をお互いに共有するような会を作っており、取引先を通して情報交流をしていただくことを狙っている。
 また、藤本先生が企画しているプロジェクトも大変素晴らしいため、是非我々も応援もさせていただきたい。

【東北イノベーションキャピタル 熊谷氏】
 是非、若手のリーダー的な存在を東北大学大学院の藤本先生に育成していただきたい。

【東北大学大学院 藤本氏】
 地域のプロデューサーという位置づけになっていく方々がお互いに刺激し合える場が今まで東北には無かったことから、そのような場を作ることで、我々の講義の内容そのものよりも、いろんな業種・業界から熱い人達から送られるメッセージや批判を受けることにより、最終的には、地域の中からプロデューサーが出来てくるのではないか。

(以上)

パネルディスカッションの模様

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本ページに関するお問い合わせ先

東北財務局理財部金融調整官
電話:022-263-1111(内線3711)