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東北再出発応援日記バックナンバー

北村東北財務局長
 東北財務局長の北村です。
 これから多くの方の声をお聞きし、試行錯誤しながらも我々の役割、我々にできることは何かをたえず考えながら全力で取り組んで参ります。

2012.9.25


被災地の金融機関は二重債務問題に果敢な取組みを
~生活・事業再建の進展とともに問われる役割~ 


東北被災地の現状
 東日本大震災の発災から、早一年半が経過しました。地震に加え津波、原発事故が重なる未曾有の災害であったため、多くの命が犠牲となったのみならず、いまもまだ避難生活を余儀なくされている被災者が数多くいます。津波による大量のがれきの撤去こそ進んでいるものの、その跡には広漠たる空間が広がっている土地が多いのが現状です。
 被災者の生活再建、事業再開を支援するメインプレイヤーとして、市町村や県は懸命の努力を重ねています。仮設住宅の建設に続き、それぞれの復興計画に基づき防災集団移転を始めとした新たな街づくりや、水産業など地域の産業復興に向けた取組みが進んでいます。
 これに対して、国は被災直後の生活物資の緊急支援に始まり、道路、河川、港、農地などのインフラの復旧を急ぐほか、政策金融機関の特別融資などの制度的な手当てを行ってきました。東北財務局も迅速な災害査定、被災者支援のための国有財産の活用や金融上の措置などに取り組んできました。
 今回の震災では「地震ではなく、津波に負けた」といういい方をよく耳にします。内陸部など地震による被害については近年の全国的な防災対策の効果も見受けられる一方、沿岸部の津波被災地はまさに壊滅的な被害を受け、多くの被災者がいまだに明確な将来像を描けずにいるのが実情だと思います。


地域金融機関の役割
 東北地方の金融機関は、金融担当大臣と日本銀行総裁の連名による「金融上の措置」の要請をふまえ、震災直後から、(1)預金の払戻しについて通帳等を紛失した場合でも弾力的かつ迅速な対応を行う、(2)災害のため支払いができない手形・小切手について不渡りとしない等の対応をとってきました。さらに、いわゆるグループ補助金の交付までのつなぎ融資等の金融支援にもあたっています。
 それでも、資金的に余裕のあった一部の方を除き、多くの被災者にとって生活再建や事業の再開はこれからの課題であり、金融機関との関係においても、これまでは返済の猶予やリスケジュールなど、いわば既往債務の塩漬けの状態が続いてきたものと思われます。新たな街づくりに相応の時間がかかる等の環境のなかでは、金融機関、債務者双方にとってそうした状態もやむをえない事情がありました。
 しかしながら、再出発を願う人にとって時間の経過はしだいに重い鎖となります。休業が長引けば長引くほど、商機や得意先は失われていき、生活再建の意欲すら失ってしまいかねません。金融機関はいまや、被災者の背中を押してあげる役割を積極的に果たすべきではないだろうか。すべての被災者が元どおりに住宅を再建できるわけではないし、すべての事業者が被災前と同じ事業を再開できるわけではないかもしれません。それでも、将来へ向けて一日も早く、一人でも多くの被災者、事業者が前に進むことが必要な時期にきているのではないでしょうか。


二重債務問題について
 その際、住宅ローンなどを借りている個人や事業資金を借りている事業者が、既往債務の負担を抱えたままでは再スタートに向けて新規の借入れが困難となる、いわゆる二重債務の問題が生じてきます。
 政府ではこの問題は震災からの着実な復興のために解決しなければならないきわめて重要な課題であるとの認識から、2011年6月に「二重債務問題への対応方針」を示し、可能な限りの対策を準備することとしました。先述のグループ補助金も、二重債務をできる限り負わずに再出発可能な事業環境の整備として位置付けられています。
 その後の与野党との協議を経て、「個人版私的整理ガイドライン」と「被災者向け債権の買取り機構」という過去に例のない仕組みがつくられました。その活用を図るため、東北財務局は関係機関と緊密に連携し、その内容を周知するための活動を展開しています。去る7月24日には、金融庁が金融機関に対し、ガイドライン利用のメリットや効果等を被災者に丁寧に説明し、状況に応じてガイドラインの利用を積極的に勧めるように要請しました。
 「被災者向け債権の買取り機構」については、各県ごとの「産業復興機構」と「東日本大震災事業者再生支援機構」(以下、「再生支援機構」)が設立されており、東北財務局ではその円滑な運営に資するため、被災三県(岩手、宮城、福島)の関係機関をメンバーとする情報連絡会を開催し、活動状況や課題等の共有や意見交換を実施しています。
 7月17日、復興庁・金融庁・中小企業庁の連名で、再生支援機構における支援決定までの期間の短縮化、信用保証協会における保証付債権に係る取組み等からなる「再生支援機構による被災事業者支援の促進について」が公表されました。これは、野田総理が岩手県を視察された際、これから二重債務問題への対応が秋にかけて本番を迎えることから、同機構を中心に政府をあげてサポートせよとの指示があり、それに基づき打ち出された促進策であります。


復興支援の重要性と金融機関の財務の健全性
 ところが、二重債務問題へ向けて用意された、こうした仕組みの活用が低調であるとの指摘が少なからずあります。現在、個人版私的整理ガイドライン等の成立件数は次のようであります。
(1)個人版私的整理ガイドライン:70件(8月31日時点)
(2)株式会社東日本大震災事業者再生支援機構:15件(8月31日時点)
(3)岩手産業復興機構:16件(9月3日時点)
(4)宮城産業復興機構:9件(6月29日時点)
(5)福島産業復興機構:2件(7月31日時点)
 被災者が明確な将来像を描けないなかでは、私的整理に手をあげることに迷いや躊躇があるのかもしれませんが、被災者の総数を考えれば現時点の件数はやはり少ないといわざるをえません。また、活用が低調であることの背景として、金融機関の消極的な姿勢を指摘する声もあります。


図表1
図表2

 金融機関が慎重な対応を旨としていることは、ある意味で当然です。筆者は以前、金融庁において(当時の)新しい自己資本比率規制としての「バーゼルII」 の旗振り役を務めた経験があります。預金取扱金融機関にとって、財務の健全性確保は普遍的な課題であります。金融機関も過去の破綻処理の経験をふまえ、主 要な銀行は数値目標を設定し、また地域金融機関においてはリレーションシップ・バンキングの推進による地域の中小企業の経営改善や、事業再生支援等のコンサルティング機能を発揮することなどにより不良債権の削減を図り、財務の健全性確保に努めてきました。その結果、金融機関の財務は順調に改善してきました (図表)。










 今回の震災に、地域の金融機関はどう対処すべきか。私はいまこそ東北の復興へ向けて地域の金融機関が全力をあげて行動すべきであると考えます。地域の金融 機関は地元の復興なくしてその存続はありえません。そのために、二重債務問題対策として用意された「個人版私的整理ガイドライン」と、「被災者向け債権の 買取り機構」を積極的に活用していただきたい。
 「晴れた日には傘を差し出すが、雨の日には傘をたたむ」という表現があります。東北の金融機関にはそんな言葉を吹き飛ばすような信頼感、存在感をぜひ示 していただきたい。「震災のとき、あの金融機関はこう行動した」と将来振り返る日が必ずきます。そうした歴史の評価にりっぱに耐える金融機関であってほし いと切に望みます。


復興支援のための政策的バックアップ
 東北の金融機関は復興を支援するに足る財務基盤を有しています。それに加え、国は金融機能強化法を改正し、震災特例を設け、被災地における金融機能を維持・強化するため万全の枠組みも用意しました。
 この震災特例では、経営責任を求めないことや、収益性・効率性の目標設定を求めないことなどの弾力化を図っています。協同組織金融機関に対しては、国と中央機関が共同して資本参加する枠組みも整備しました。
 東北管内では、すでに八つの金融機関(注)が震災特例を活用して国の資本参加を受け、地域の復興支援を目指してさまざまな取組みを行っています。(筆者注:このほか、9月13日に更に管内の二金融機関への資本参加が決定されています。)
 一方、津波被災した沿岸部では防災集団移転(いわゆる高台移転)の取組みが始まっています。震災からの復旧・復興を象徴する事業であり、高台用地の確保 や住民の合意形成など課題も多いが、市町村は全力をあげて取り組んでいます。こうした進展に伴い、被災者・事業者が再スタートを検討する際に既往債務の負 担軽減が必要になる方も多数顕在化してくるものと考えられ、金融機関が重要なカギを握る局面を迎えるものと思われます。いまこそ復興支援に軸足をおいた対 応を期待します。


【本稿は、「週刊金融財政事情(2012.9.24号)」での論考を一部修正再掲しています。】

2012.9.20


 東北の復興へ向けては、地域経済の柱となるべき産業の発展が不可欠です。東北の場合、食料供給基地としての農林水産業(6次産業化を含む)、エネルギー分野(再生可能エネルギーを含む)などがその柱と考えられていますが、製造業の分野では従来からの電子部品・デバイス部門に加え、近年「自動車の生産拠点」としての期待が高まっています。
 本年7月、トヨタ自動車東日本(株)が誕生し、この東北が中部、九州に次ぐトヨタ第三の生産拠点と位置づけられています。
 自動車産業の場合、最終的な組み立て工程に至るまでに数多くのパーツ(部品)の製造が求められます。全体としてみると大きな裾野ともいうべき下請け企業群がこれを支える構図となります。

 宮城県山元町に本社工場を構える岩機ダイカスト工業(株)は、アルミニウムなどのダイカスト部品を手掛ける二次部品メーカーです。ダイカスト部品は、金型に溶けた金属を押し込んで造ります。同社では元々は家電製品の部品を製造していましたが、その後自動車分野に進出しました。

写真1
 会社としての強みは何かと伺ったところ、斎藤会長からは「安定した品質の部品を可能な限り安価に提供することに尽きる」という至極シンプルな答えが返ってきました。ただし、顧客が持ち込んだ設計図でそのまま造るのではなく、「こうしたほうが品質は安定する」「こうすればもっと安くできる」と提案しながら金型を造っているそうで、こうした当社の姿勢が取引先の信頼も得ているようです。



 
 震災では同社も大きく被災しました。海沿いにある工場は津波により倒壊、流出し、宮城県内の他の3工場も多くの破損や地盤沈下が発生しました。また長時間の停電により電気炉の中にあるアルミが凝固してしまいます。この時に斎藤会長(当時社長)は「操業再開までには時間がかかる。しかし当社の一つの部品の納入が滞ることで全ての組み立てをストップさせてはいけない。当社で生産できないものは金型を引き渡そう」との決断をします。金型を他社に渡すのは同社にとって納入先から受けた仕事を失うことを意味します。それでも迷いなく決断したのは「自動車部品を手掛ける会社としての責任」だとのことでした。

 震災によって東北地方が世界的なサプライチェーンの一翼を担っている実態が明らかになるとともに、その復旧の遅れが世界経済に多大な影響を与えることが懸念されましたが、その後の経過は世界が驚くほどのスピードで復旧が成し遂げられました。その過程では岩機ダイカストが示したような勇気ある決断があったのだと知り、深く感じ入りました。

 金型の引渡しと並行して、操業再開へ向けた取組みも加速されました。本社工場の床面と地盤の間に大きな隙間が生じたため、大量のコンクリートモルタルを注入し、補強します。また停電で大きな影響を被った同社は、その反省に立ち全工場に自家発電装置が配備されます。「今では従来以上に頑強な工場になった」9月に社長に就任した鎌田氏は笑顔で語られていました。

写真2
 再開後の工場を見学させてもらったところ、アルミニウムの溶解、金型プレスによるダイカスト部品の製造工程は徹底した機械化・省力化が図られ、加えて金型自体も全て自社内での設計・加工による効率化と信頼性向上を追求しておられるようです。「納入先からはユニットとしての完成形が示されるが、それを構成する個々の部品をどう造るかは金型の造り方、ひいては製品コストに跳ね返るため、納入先とも議論を重ねる」とのことでした。


 
 海外との競争に関しても「まだまだダイカスト部品の製造は効率化を図る余地がある。それができれば国内でも十分にやっていけると思う」との鎌田社長の力強い言葉が印象的でした。

 東北での自動車産業の裾野を支える力強い企業が増えていって欲しいと願います。

2012.9.11


 8月末から秋田県、山形県と日本海側の各県を回り始めました。
 今回の震災では日本海側は直接の被害こそ少なかったものの、風評被害を含め間接的なダメージを受けている事業者が多いようです。

写真
 山形市にある「(株)シベール」はフランスパンにバターを使った高級ラスクを世に送り出した食品メーカーです。最近は全国に競合商品が続出していますが、これに対しては洋菓子やパンづくりで培ったノウハウを活かした付加価値の高いハイブリッドな商品を市場に投入しています。工場や本社事務所、文化ホールや故井上ひさし氏の蔵書からなる図書館などが集まるシベールファクトリーパークには年間60万人が訪れるとのことで、そうした文化活動が生み出すブランド力も全国的にリピーターを生み出している一因のようです。


 震災では仙台周辺にある店舗が被災にあい、売り上げも一時的に大きく落ち込んだとのことでしたが、佐島社長からは「避難所にラスクやパンなどを無償で提供した際に、被災者から喜ばれた笑顔が社員の意識を大きく変えた」とのお話を伺いました。厳しい市場競争の中ではその持ち味を活かした高付加価値化を進めることが大事なことであると感じました。

 今回の復旧・復興へ向けた土木工事の規模は大きく、地元の建設業者の供給能力を上回っているとの声を耳にします。特に工事に欠かせない生コン等の供給制約から資材価格が急騰しているようです。

 酒田市にある「前田製管(株)」はコンクリートパイルやヒューム管といった二次製品のメーカーです。宮城県での国土交通省による防潮堤工事に際してコンクリートブロックを供給しています。通常の防潮堤工事では現場での生コン打設によることが多いようですが、前述のように生コンの供給制約がある中、大規模な工事を速やかに進める観点からこうした二次製品が活用されているようです。前田社長は「同じ東北の業者として今後も東北の復興に貢献していきたい」との意欲を語っておられました。被災地の復旧・復興にはスピードが求められます。様々な供給制約をどのように克服していくか、県外の業者の参入も含めあらゆる方途を講じるべきと考えます。

 日本海側は全国的に見ても震災前から人口減少、高齢化が進んでおり、そうした環境下でどうやって地域経済の活性化を図るか、という問題意識を持つ方が多かったように思います。以下は、地元新聞での小職へのインタビュー(8月30日秋田魁新報、9月6日山形新聞)の概要です。

 ―日本海側では復興需要も限られており、人口減少や高齢化が進む中、経済の活性化をどのように進めていくべきと考えるか。

 「東北の復興需要や財政投資は今後長期にわたり続くだろうが、それだけに頼っていれば東北全体の地盤沈下は避けられない。東北が強みとしている自動車産業や電子・デバイスなどの製造業はもちろん、全国に先駆けて農業の6次産業化や再生可能エネルギーといった分野に主体的に関わり、新しい成長の姿を示していけば、東北の大きな力になるだろう」

 「例えば風力発電は、秋田に幾つもの事業者が進出していることを考えるとポテンシャルは高い。そうした動きを地元の産業にどう結びつけるかが大事だ」

―被災地の復旧・復興事業に秋田県の業者も参加すべきか。

 「被災県だけでは(今後集中的に発注される)工事を賄いきれない。秋田を含む日本海側の各県が積極的に貢献することが望ましい」

―山形のきらやか銀行と宮城の仙台銀行が経営統合するが、今後の東北の金融界の再編をどう見るか。県域を越えた合併なども必要になってくると思うか。

 「東北のマーケットの中で仙台が大きな位置を占めており、震災復興の過程でその傾向は一層強まっている。特に山形と仙台は距離が近く、きらやか銀行と仙台銀行が経営統合して仙山圏に目を向けていくことは理にかなっている。両行がそれぞれの情報を有機的に活用し、メリットを最大限活かしていってほしい。今後の東北経済を考えたときに、金融機関の再編も選択肢の一つだろう。より金融機能を高めることができるのであれば、そこは躊躇すべきでない」

―消費増税が決まったが、東北の消費を冷え込ませるのではないか。

 「消費を冷え込ませるとの見方は確かにあるが、日本の社会保障制度を持続可能なものとし、将来への不安を払拭するには必要(消費行動はそうした全体をどう見るかで決まってくる)」

2012.8.29


着任挨拶
東北財務局長北村信

 このたび東北財務局長を拝命しました北村です。
 東日本大震災の発災から、はや1年半が経過しようとしています。まずはこの震災でお亡くなりになった御霊に哀悼の意を表したいと思います。あの日から日本国中が、世界が深い悲しみにくれ、多くの方がいまだにその痛みを感じ続けておられます。
 他方で、この間復旧・復興へ向けて懸命のご努力をされてこられた被災者はじめ関係者各位に深く敬意と謝意を表します。

 着任後、すぐに被災地を回りました。どこもがれきの撤去こそそれなりに進んでいるものの、津波の傷跡は広漠たる空間としてそのままの状態です。夏草が生え、うっかりすると見過ごしてしまいかねないようなところにも、間違いなくそこで暮らしておられた住居や事業所の跡が見て取れます。

 岩手県の釜石市や宮古市など沿岸部では、いずれも津波と地盤沈下で居住ができなくなった地域からの防災集団移転(いわゆる高台移転)に取り組んでいますが、リアス式海岸ゆえに不可欠となる高台用地の確保の問題のみならず、マンパワー不足、特に技術系職員の不足が課題のようです。加えて、最近の資材の不足・高騰、労務費の高騰など難題が目白押しですが、もっとも大事な住民の合意形成に向けては、この地方特有の絆の強さがこれを後押ししてくれるかもしれない、と期待する声もあります。地域によって差はあるもの、槌音が徐々に高くなりつつあるように感じられました。

 福島県では地震・津波被災に加え原子力災害も発生したため、問題は複雑です。南相馬市の小高地区は、20キロ圏内の警戒区域の指定が解除されて日中は地区内に入れますが、震災直後の現場がそのままになっており、場所によっては何事も無かったかのような町並みのところもあります。持参した線量計で計ってみても、たとえば50キロ以上離れた福島市内のホットスポットに比べて低い値だったりします。それでも1年以上放置を余儀なくされていたわけで、これから上下水道やガス・電気などのライフラインが復旧されないと住民は戻ってこられず、当然ながらこの地区にはまだ人の姿は見当たりません。

 宮城県を含め、津波被災にあった沿岸部の産業の中心は水産業および水産加工業であり、東北の魅力の一つである食の豊かさを支えている拠点です。今回の被災で各地ともに壊滅的な打撃を受けました。この地域の復旧・復興はこの水産業・水産加工業の復活なくしては考えられません。漁港施設の応急復旧に加え、製氷施設や仮設店舗の整備など数次にわたる対策が講じられてきました。その中でも、いわゆるグループ補助金が事業の再開に向けて大きな助けになっていると評価する声が多いようです。一日も早く沿岸部に昔のような活気が戻って欲しいものです。

 被災地を回りながら、財務局の役割とは何かを考えました。
 言うまでもなく財務省の総合出先機関であり、また金融庁からの委任を受け地域金融機関の検査・監督も行っています。霞ヶ関の中で財務省は予算や税制などを担当していますが、予算編成や税制改正の作業を通して、様々な政策課題に対し適切なソリューションを見出すことが課せられています。それにより経済成長と安定した社会を実現することが目標なのだと思います。

 今の東北で考えるならば、震災からの復興が最大の目標です。それに向けて、被災者の生活再建や事業の再開を支援するメインプレイヤーとしては市町村や県があり、国の方では復興局や地方整備局、農政局、経済産業局などの事業官庁にご努力いただいています。東北財務局としても、これまで迅速な災害査定、被災者支援のための国有財産の活用や金融上の措置などに取り組んできました。また被災者が再スタートするためには、二重債務問題などこれから金融機関の役割が大きくなってくるものと思われます。
 東北財務局は、復旧・復興へ向けてそれらの関係機関と連携をとって、それをサポートし、被災者の再スタートのための適切なソリューションを見出すべく後押しをする役割を果たしたいと思います。サッカーで例えれば「攻撃的ミッドフィルダー」のような役割を目指したいと考えます。

 これから多くの方の声をお聞きし、試行錯誤しながらも我々の役割、我々にできることは何かをたえず考えながら全力で取り組んで参ります。皆様からのアドバイス、忌憚のないご意見を是非お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

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