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2011年5月10日

 被災した中小企業のための仮設施設(店舗・事務所・工場等)を整備するプロジェクトが、中小企業基盤整備機構を中心に進められています。今回、このプロジェクトを活用して仮設施設を整備する場合に、その用地として国有地を無償で提供することになりました。これは、盛岡財務事務所が受けた釜石市からの「被災企業の事務所建設のために国有地を使いたい」との要望を契機として、被災中小企業の支援の一環として採られた措置であります。釜石市に対しては、この仮設施設用地として、既に国有地3件、約2千平米を提示しているところで、現在、釜石市と中小企業基盤整備機構との間で具体化に向けた調整が進められております。
 津波で工場や設備を流されてしまった中小企業にとっては、無償で提供される仮設施設は、事業再開への有効な支援策であります。複数の商店が入居する仮設の商業団地も可能ですし、さらには仮設の共同水産加工施設も考えられます。そのような集合施設に、金融機関の臨時店舗が設置されるならば、さらに利便性は増してきます。また、仮設ですので、復興計画が策定される前に早期に事業再開しても、本格復興の障害にはなりません。このプロジェクトの積極的な推進が期待されるところです。

 5月2日(月)、五十嵐財務副大臣が、宮城県の被災地を視察されました。気仙沼市から南三陸町、登米市を訪問されました。
 気仙沼市では、港湾地区の被災状況を視察されましたが、潮が満ちてくるとかなりの範囲で水浸しになり、車での走行も不安になってきます。菅原市長から、地盤沈下により冠水した地域について、土地所有者への補償、国による買取り等についての要望がありました。また、人口流出が始まっていることから、復興にはスピード感が必要とのご指摘もいただきました。
 気仙沼市から南三陸町へは海岸線を車で移動され、副大臣には、津波でほぼ壊滅状態になっている沿岸部の状況をつぶさにご視察いただきました。南三陸町では、商店は2店舗しか営業していません。佐藤町長から、役場・診療所の再建、商工業者の既存債務の棒引き等の要望がありました。仮設住宅については、必要戸数3千戸に対して、1千戸分の用地しか確保できていないとのことです。役場の機能については、全国の市町村から100人規模の応援が入っており、徐々に回り出しているようです。
 登米市は、地震による被害は受けたものの、津波による被害がなかったこともあって、震災当時から南三陸町等の被災市町村への支援に尽力してきました。南三陸町の被災者を中心に827人を受け入れているほか、南三陸町に対して仮設住宅の用地の提供も行っています。震災直後には、赤ちゃん用の粉ミルクを市独自で関東方面より調達し(かなり苦労された模様)、南三陸町の避難所に届け、大変喜ばれたとのことです。布施市長からは、被災企業への公的融資を拡充して欲しい、あるいは被災した合併市に対して合併特例を延長して欲しい等の要望がありました。

(気仙沼市長との面談)

(南三陸町長との面談)

 5月6日(金)、尾立財務大臣政務官が、岩手県の被災地を視察されました。まず、沿岸部の被災地の後方支援基地となっている遠野市を訪問し、被災地ボランティアの司令塔になっている「遠野市まごころネット」で幹部の方々と面談されました。全国各地からの多数のボランティアが集まる大規模災害において、ボランティアが有効に機能するには、優秀なコーディネーターの存在が不可欠であることが良く理解できました。幹部の一人から、「仮設住宅入居権利証」の提案がありました。避難所から県外等への2次避難が進まないのは、一度避難所を出ると、仮設住宅への入居が難しくなるとの心配が原因であるので、入居権利証を発行すれば、早期の避難所解消が進むと言う提案であります。また、仮設住宅の用地として、農地を活用できるように農地法の特例を認めるべき(一時的な使用であるので農地転用までする必要はない)との提案もありました。
 また、遠野市では、自衛隊の第9後方支援連隊の基地を訪問され、派遣自衛隊員を激励されました。六車連隊長によれば、沿岸部で災害が発生した際には、遠野市を支援基地とすることは、震災前から想定し訓練を重ねてきたことから、震災当初から遠野市との連携は大変上手くいったとのことです。
 釜石市では、入居済の仮設住宅や避難所を視察されました。視察された避難所は、集落が全壊した両石地区の住民140人が生活しています。皆で検討したという集落の復興案を熱心に語る地区の代表者の方の姿が非常に印象的でした。
 市庁舎が損壊したため、釜石市対策本部は「シープラザ釜石」という施設に設置されています。野田市長から、「復興の姿は地域によって違う。好き勝手を言っても財源が無ければ実現できない。従って、地域の声をベースに、国がいくつかの実現可能な復興のパターンを作成し、それを地域に示していくというプロセスが必要ではないか。」との提言がありました。さらに、復興にはスピード感が必要であり、復興のビジョンを早く示して地域住民を安心させる必要があるとのお話もいただきました。

(仮設住宅(釜石市))

(釜石市長との面談)

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