ページ本文

2011年6月13日

 6月11日(土)、あの大震災から、ちょうど3ヶ月が経過しました。6月11日現在で判明している亡くなった方の人数は15,413人、未だ行方不明の方が8,069人いらっしゃいます。被災地を訪れると、復旧・復興に向けて歩みだしている様子が窺える地域がある一方で、がれきが未だ山積み状態で、ご遺体の捜索が続けられている地域もあります。被災地からは、復旧・復興のビジョンを示してもらえないと、前に進めないという声などが日に日に強くなっているところです。今回は、震災後3ヶ月の節目として、復旧・復興の進捗状況の一端を見てみたいと思います。

 まず、東北6県の避難者数は、震災直後のピーク時には、約53万人でしたが、15万人までに減少しております。特に避難者数が多かった宮城県では、ピーク時32万人でしたが、2万5千人と大幅に減少しております。一方、福島県は、ピーク時13万人でしたが、原発の影響で、未だに10万人近くの人が避難しており、そのうち3万6千人が県外に避難しています。

 仮設住宅の建設状況は、岩手、宮城、福島の3県の必要戸数が約52,200戸に対し、完成したのは27,900戸であり、8月中旬までにすべての完成を目指して建設を急いでいます。東北では、旧盆が過ぎると秋ですので、何としても間に合わせる必要があります。宮城県は、必要戸数の約7割の15,800戸が完成、あるいは着工していますが、残りの用地の確保に苦労しています。岩手県は、必要戸数14,000戸のほとんどの発注を終えており、7月前半にはすべて完成する予定です。福島県は、必要戸数15,200戸のうち12,300戸の発注を終えているところです。
 このように仮設住宅の建設が進む一方で、せっかく仮設住宅が出来ても、場所によっては、希望者が少なく入居が進まないところがあるというミスマッチの問題も生じています。

 がれきの処理については、環境省の推計によると、岩手、宮城、福島の3県で2,391万トンですが、撤去されたのは519万トンで、22%に止まっています。がれきの処理は、基本的に市町村が地元建設業者等に発注していますが、重機や人手が足りていない状況もあるようです。地域の雇用確保のためには、地元企業への発注を優先することは重要ではありますが、がれきの処理が終わらないと地域の復旧・復興も始まらないので、そのバランスには留意しつつ、場合によっては県外の大手業者の活用も必要ではないかと思われます。また、がれきの保管場所の確保も頭の痛い問題であります。

写真1

写真2

 県・市町村の復興計画の策定状況については、岩手県は既に復興ビジョンを策定しており、これを踏まえて8月までに復興計画案を策定し、9月の県議会の議決を目指すとしています。宮城県も、既に復興計画の一次案・事務局原案を策定しており、7月に2次案を取りまとめて、9月の県議会の議決を目指すとしています。福島県は、7月末までに復興ビジョンを策定し、12月末までに第1次復興計画を策定するとしています。
 沿岸市町村の復興計画の策定状況は、自治体によって大きな差が出てきており、復興計画や計画の策定方針等を公表するところがある一方で、やっと住民との意見交換会、公聴会等を開催する動きが始まったところもあります。しかしながら、国、県の復興計画の方向性が明確でない中では、市町村の復興計画作りには自ずと限界があると言わざるを得ません。

 次に、企業の復旧状況ですが、沿岸部の主な工場の被害は甚大ですが、多くの工場は既に復旧しているか、あるいは生産再開の目処が立っています。一方、沿岸部の水産加工業では、再開に踏み出した企業がある一方で、再建の見通しが立たず、撤退する企業も見られます。特に、中小・零細企業におきましては、工場、設備すべてが流され、多くの企業が未だ再開の見通しが立たないという状況です。
 なお、企業の復旧については、二重債務の問題が大きな足かせになっています。被災した多くの中小・零細企業の経営者は、既往債務に加えて新たな借入を行って事業再開が可能なのか、この期に廃業すべきなのか、ギリギリの判断を迫られている状況で、一刻の猶予もありません。 但し、二重債務問題と言っても、個々の被災企業の状況は、規模や地域あるいは業種によって様々ですので、その解決のための国や金融機関の支援メニューも様々用意する必要があります。
 また、地域金融機関には、被災地域の復旧・復興のために、その機能発揮が大いに期待されています。金融庁では、金融機関が被災企業を支援し、地域の復興のために十二分に金融機能を発揮できるよう、金融機関が公的資金を導入し易くするための法案(金融機能強化法の改正法)を国会に上程しています。また、金融機関が被災企業への債権を放棄する場合に、無税償却が認められるよう、関係機関との調整も進められています。

写真3

 以上のような復旧・復興の進捗状況の中で、6月6日(月)には、第2回目の岩手県震災復興金融会議が開催されました。岩手県から「復興ビジョン(案)」の提示がありましたが、その中で復興に向けた3つの原則として、「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」と言う考え方が示され、地域金融機関等との意見交換が行われました。その際にも、二重債務問題に関する意見が多く出され、岩手県からは、「ファンド設立による企業支援」と「制度拡充による個人再建支援」の案が提示されました。

PDFファイルをご覧いただくにはAdobe Reader(無償)が必要です。
ダウンロードした後インストールしてください。

Get Adobe Reader