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2011年6月22日

 今回の大震災では、津波による被害に目を奪われがちですが、地震による内陸部の被害も相当に甚大です。仙台市では、市街地を取り囲む丘陵地が1960年代から1970年代にかけて造成され、古い住宅地を形成していますが、そのうちの盛り土部分が今回の地震で地すべりを起こし、住宅に深刻な被害が出ています。被害が出ている地区は仙台市内で十数か所に上り、4,000戸を超える被害が報告されていますが、そのうち868戸が「危険宅地」、1,210戸が「注意宅地」と判定されています。
 6月15日(水)に、特に被害の大きい青葉区折立地区をはじめ、市内の数箇所の被災状況を確認してきましたが、住宅地の一画で、道路に亀裂が入り、土台部分に空洞が生じ、建物が傾いています。酷いところでは、地面が大きく横にずれていることがはっきりと分かります。今後、降雨、余震等で、被害が拡大し二次災害が発生するおそれもあります。被害の大きい住宅の住民の多くは、既に避難していますが、危険な住宅に現在も居住している世帯もあり、仙台市では、順次避難勧告を実施しているところです。
 復旧工事につきましては、宅地が地すべりで崩落した状態であることから、単なる家屋の修繕・建替えでは済まず、抜本的な地盤改良も必要となることから、多額の費用と時間を要するとの指摘があります。

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 6月16日(木)、山形県酒田市で開催された中小企業の経営者の集まりで講演を行った際に、被災地のがれきに関して、「がれきの処理が遅れているので、我々も応援したいと考えているが、被災地の市町村は地元の業者を優先して発注しており、我々も、地元の業者のことを考えると、仕事を取りにいくのは遠慮せざるを得ない。」という声をいただきました。 がれきの処理だけでなく、被災地の復旧・復興のために、もっと隣県のパワー、東北6県のパワーを結集する必要がありそうです。

 6月21日(火)、津波で完全に破壊された石巻市の魚市場の一角で、水産業関係の方々にお会いしました。魚市場の後背地に集積する水産加工の工場・冷凍庫等も壊滅的な被害を受けています。また、地盤沈下のためにあたり一面が水没しています。水産業の復興に向けた様々なご意見をいただきましたが、その中で、特に印象的な話を3点ご紹介したいと思います。1点目は、石巻の水産業の復興のためには、水揚げを担う漁港、漁協だけの復旧では意味が無く、水揚げした後の冷凍・冷蔵、流通に乗せるための加工業者等のいわゆる水産加工業者の復旧が欠かせないということです。水産加工業全体が一体として復旧しなければ、漁船が石巻に水揚げできないとのことです。2点目は、仮復旧のための施策と本復興のための施策を明確に分けて考える必要があるというお話です。目指す本復興には時間を要しますが、その間、仮の施設でも事業を再開できないと、地域の復興を担うべき水産加工業が消滅してしまうというわけです。3点目は、浸水した土地を国に買い上げて欲しいとの要望です。これによって、二重債務の問題も軽減されます(この方式であれば、既往債務の減免と異なり、不公平の問題を回避できる)。また、本復興までの間、この国有地の上に仮の施設を建設して、事業を再開することも可能になるとのご意見です。
 「浸水した土地をどうするのか」、「ここで事業を再開できるのか」、これが、沿岸部の事業者が再建に向けて動き出せない共通の問題です。

写真3

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