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2011年7月15日

 気仙沼港では、6月28日に震災後初めて、巻き網船によるカツオの水揚げが行われました。また、7月13日には、カツオ一本釣り漁船の水揚げが再開し、生鮮カツオの水揚げ14年連続日本一の気仙沼市場が活気づいています。また、全国6位、年間9万5千トンの水揚げ量を誇る石巻港でも、7月12日にやっと震災後初めての水揚げが行われ、魚市場は4ヶ月ぶりに賑わいを取り戻しました。ただし、石巻の魚市場は、津波で建物のほとんど流され、地盤も70~80センチ沈下しているため、比較的被害の少なかった西側に60メートルのテントを張って、仮設の卸売り場を設置しての再開です。
 両港が水揚げを再開したとは言え、気仙沼港でのカツオの水揚げ量は、未だ例年の5分の1に止まっており、石巻港の水揚げ量も、震災前の3割足らずです。これは、冷凍・冷蔵庫や水産加工場が、ほとんど再建できていないためです。水揚げされた魚の多くは、冷凍・冷蔵されて、あるいは切り身や練り製品等に加工されて出荷されるために、水産加工業が復旧しないことには、漁船、漁港、魚市場が復旧しても、水揚げ量は震災前の水準には回復できないのです。

 そこで、今回、石巻市、気仙沼市、塩釜市、釜石市の水産加工業組合を訪ね、その復旧状況についてお話を伺いました。

(石巻 水産加工団地)

 石巻市の水産加工業は、海岸近くの魚市場に隣接して、一大団地を形成していますが、ほとんどの加工場が津波による大きな被害を受けています。問題は、地盤沈下により日常的に冠水しており、多くの業者は、ここで営業を再開すべきかどうか判断がつかない状況に置かれていることです。この組合は、当初からこの地区を国が買い上げて、加工団地を再整備してくれるよう要望しています。今回、それが難しいのであれば、一部の嵩上げと排水施設の組み合わせで、一日でも早く復旧して欲しいと要望されました。加工業者は、これ以上休業すると、顧客に逃げられると焦っているとのことです。

 気仙沼市の水産加工業も、その工場敷地は1メートル近く地盤沈下し、日常的に冠水しており、市の復興計画が決まらない中、営業を続けるべきか、続ける場合にどこで再開するか、判断を迫られているとのことです。一部の業者は、将来的な立ち退きを覚悟の上で、元の場所に施設を建設することを考えているようです。なお、水揚げ後のカツオの処理については、45%が鮮魚のまま市場に出荷されますが、それ以外は冷凍をはじめ何らかの加工処理がなされるとのことです。

 塩釜漁港の被害は比較的小さいこともあって、4月14日には水揚げが再開されました。水産加工業者の多くは、2~4週間程度で再開しましたが、その生産量は震災前の5割程度に止まっています。これは、休業中に、他地域の加工業者に販路を奪われてしまったことが原因のようです。水産業の復旧・復興には、スピード感が求められます。

(釜石 魚市場)

 釜石市の水産加工業者は、一つの地区にまとまっておらず、市内に点在しています。ほとんどの業者は事業再開の意欲は持っているものの、地盤沈下に対する方針が示されないことから、元の場所での再開が可能なのか判断できない状況です。中には、液状化現象を起こしているところもあるようです。海水を大量に使う業者は、海辺から離れることができないとのことですが、水をそれほど大量に使わない業者の中には、既に内陸部への移転計画を進めているところもあるようです。なお、釜石港での水揚げの再開は、製氷、冷凍・冷蔵等のインフラ整備が出来ていないことから、未だ実現しておりません。

 今回訪問した水産加工業組合では、いずれも1次補正で手当された「中小企業組合等共同施設等災害復旧事業・155億円」、いわゆるグループ化した複数の被災企業が共同で使用する施設等に対する補助制度について、大変評価しており、復旧のために大いに活用したいとしています。しかしながら、宮城県だけでも、10日間という限られた申込み期間の中でさえ、217件、1,250億円の申請がなされており、金額的には到底足らないとしており、2次補正、3次補正での大幅な増額を期待しているとのことでした。また、中小企業整備機構による仮設店舗・事務所等の整備事業について、排水・給水施設が必要な水産加工場の建設も対象になるように弾力化して欲しいとの要望もありました。

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