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2012年1月17日

 大震災により塗炭の苦しみを経験した東北地域も、何とか新しい年を迎えました。新年の初売りは、仙台のみならず、岩手県、福島県でも、多くの百貨店が前年比二ケタの伸びを示すなど、活況を呈しました。まだまだ震災の傷跡が残り、復興への道程が遠い中で、このような明るい話題は、明日への希望につながります。

 1月11日(水)、安住財務大臣が除染現場等の視察のために福島県に来られました。まず、福島第1原発からちょうど20キロに位置する「Jヴィレッジ」を視察されました。Jヴィレッジは、ご存知のとおり、1997年に開設された日本サッカー界初のナショナルトレーニングセンターですが、原発事故発生以来、国および東京電力の原発事故対応の最前線基地として活用されています。11面の天然芝フィールドは、砂利等が敷き詰められ、駐車場、ヘリポート、除染場等に姿を変えており、往時を知る人には悲しいこととは思いますが、まさに警戒区域の境界線に位置する場所にこのような広大な施設が存在し、直ちに原発事故対策の拠点に転用できたことは、不幸中の幸いでありました。

(Jヴィレッジ 視察)

 Jヴィレッジの機能としては、まずは放射性物質の拡散防止として、人員・車両のサーベイや除染を行い、防護服やマスク等の装備の着脱が行われます。また、警戒区域と警戒区域以外との間で、人員や資機材の輸送の積み替え拠点となっております。さらには、原発作業に従事する人たちの医療機能も果しています。周辺には、原発の作業員の宿泊所や食堂のプレハブ施設も建てられています。

 その後、大臣は、広野町において除染作業の現場を視察されました。広野町は、原発から20キロ圏内の警戒区域に隣接する町で、緊急時避難準備区域に指定されていましたが、昨年9月末に解除されています。しかしながら、約5300人の住民の大半(5000人強)が、未だに町外に避難しています。町役場も、いわき市に移転しておりましたが、昨年12月に一部機能を広野町役場に復帰させ、今年3月には完全復帰させる予定です。広野町は除染事業に非常に積極的で、国のモデル除染事業として、日本原子力研究開発機構と連携しながら取組んでいます。山田町長は、今年中には住民を広野町に戻したいとしておられます。大臣からは、20キロ圏に隣接する広野町で、除染事業が進み、役場が復帰し、住民の皆さんが帰っていただけるような環境を作れれば、福島県全体の除染事業の大きな起爆剤となるとの話がありました。

(広野町 除染現場視察)

 広野町には、震災直後から人的支援として、財務局の職員を派遣してきましたが、広野町から、復興計画の策定等を支援するために長期の職員派遣の要請がありましたので、昨年12月から東北財務局の職員を派遣しております。山田町長からは、自分の右腕として活躍してもらっているとの話をいただきました。

 1月12日(木)、宮城県沿岸部の町、南三陸町を訪ねました。南三陸商工会の須藤会長にお会いし、南三陸町の産業の再建についてお話をお伺いしました。南三陸商工会の会員企業は約500社ですが、現在、事業を行っている企業は半分程度で、その多くが細々と事業を再開したばかりの企業とのことです。また、事業を未だ再開していない企業の中には、廃業を考えている企業も少なくないようです。そのような中で、グループ補助金は、事業の再建に向けて経営者の背中を押すもので、大変有難いとのお話がありました。しかしながら、南三陸町のように、町の大半が失われたような地では、グループ補助金の申請準備が出来なかった企業、あるいは工場を再建する場所の目処が立たず申請できなかった企業が多いとのことです。また、中小企業基盤整備機構が準備する仮設店舗を利用して30の商店が再建をしようとしている(志津川福興名店街)が、これがグループ補助金に対象にならないとされたのは納得がいかないと訴えておられました。被害の程度が軽く、再建する場所がある地域の商店街に補助金が出て、被害が酷く、再建する場所すらない商店街が、せめて仮設店舗でもと再開しようとしているのに、補助の対象とならないのは、あまりに不公平というのです。確かに、補助、助成の重複は避けなければなりませんが、グループ補助の対象となる部分については、仮設店舗で再建を目指す商店街にも補助できるような工夫は検討の余地はありそうです。
 お昼は、震災で店舗、工場が壊滅的な被害を受けた水産加工の「(株)ヤマウチ」が震災後5ヶ月で再建した総合食品店舗に併設されている食堂で、海鮮丼をいただきました。近くの港で揚がった魚介ではないかもしれませんが、大変美味しかったです。山内社長は、自社の復旧活動にとどまらず、南三陸の復興会議や商店街復興に向けた「福興市」に参画するなど、復旧・復興に取り組む姿勢が高く評価され、地域の復興に今後も重要な役割を担う企業として、財団法人七十七ビジネス振興財団の平成23年度の「七十七ビジネス大賞」を受賞されています。

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