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~大震災からの復興に向けて ~福島財務事務所長から(2012年)

平成24年7月10日

(魔女の瞳)
 休日を利用して、吾妻連峰のひとつ一切経山(1,948.8m)に登りました。浄土平のビジターセンターに車を停め、そこから往復4時間程度の行程です。
 今年採用の新人2名も含め5人のパーティーで楽しく登りました。 一切経山は今でも噴気をあげる活火山です。吾妻小富士のお釜を眼下にさらに目を遠くにやると福島市内が真下に望めます。なんといっても圧巻は山頂から見下ろす五色沼(別名「魔女の瞳」)の眺めです。コバルトブルーに輝く沼に引き込まれていきそうになります。まさに魔女の瞳がぴったりです。
 眼下に見える福島の土地、ここが我々のフィールドです。メンバーそれぞれに感じるところがあったのではないかと思います。 尾瀬沼に匹敵するくらいすばらしいところでした。この夏、チャレンジされてはいかがでしょうか。

(吾妻小富士)

(五色沼)

(人事異動)
 財務局は毎年この時期に人事異動があります。今年も私を含め職員の3分の1程度が転勤します。
 昨年の3.11以降、財務事務所の業務は一変しました。手前味噌になりますが、職員は国民目線・被災者目線を大事にしてこれまでに経験したことのない業務にも必死で取り組んできたと言っても過言ではありません。
 国家公務員である以上、困った方や自治体があればそこに手を差し伸べることは当然のこととはいえ、一方で放射能という目に見えない恐怖と隣りあわせの中での業務遂行はさぞかし苦労を伴ったものであったと思います。
 被災地では3.11の風化が心配されています。人事異動で経験者が少なくなることによって私たちの足元から風化が起こらないよう、引き続き残留した職員が新しく入ってきた職員に語り継いでいかなければなりません。
 私は福島の地で3.11以降職員とともに戦った日々を一生忘れないし、ずっと誇りにしていきたいと思っています。
 ありがとうございました。

福島財務事務所長 中野伸二

平成24年6月11日

(旧警戒区域 南相馬市小高区へ)
 5月17日(木)、避難指示解除準備区域となっている南相馬市小高区に行きました。この地区はこれまで警戒区域と計画的避難区域に指定されていた場所です。4月16日に避難区域の見直しが行われ、年間積算線量の多寡により、帰還困難区域、居住制限区域及び避難指示解除準備区域にそれぞれ再編されたのです。
 帰還困難区域は引き続き、原則立ち入り禁止です。その他の区域は住民の一時帰宅が認められ(宿泊は禁止)、避難指示解除準備区域はさらに製造業等の事業再開やそれに付随する運送業務などが柔軟に認められます。
 私が入っていったところは避難指示解除準備区域ですので、線量が低く、年間20mSv以下となる地域です。かつてのような検問所は取り外されています。
 崩れたままの建物、陸に打ち上げられた船舶や自動車、倒れかけた電信柱、無数のがれき、陥没したままの道路など悪夢のような光景がいまだに広がっているのです。我々が1年前に見た光景と何ら変わっていないことにショックを受けました。
 自宅の片付けに来ている住民の姿もありました。電気以外のライフラインが未復旧であり、これから復旧工事の見積りに入るとのことでした。さらに、除染もこれからです。住民の帰還までにはいくつもの壁を取り払わなければなりません。災害復旧事業の査定立会を担う財務局としても全力で職務を全うしてまいります。

(南相馬市小高区)

(南相馬市小高区)

(ふくしま復興応援・金融説明会)
 4月から県内で実施している~ふくしま復興応援・金融キャンペーン~の一環として「ふくしま復興応援・金融説明会」が相次いで開催されました。二重債務問題等への対応策として福島産業復興機構、東日本大震災事業者再生支援機構、個人版私的整理ガイドライン運営委員会が設立されていますが、被災中小企業者や個人の方を対象に説明会を行いました。
 5月8日二本松市、11日相馬市、15日会津若松市、17日南相馬市、18日福島市でそれぞれ開催しました。4月に開催されたものを含め、県内9箇所、出席者1,000名を超える方々にご来場いただきました。
 また、5月23日(水)にはこのキャンペーンの実施主体である福島県震災復興金融協議会構成メンバー(県内民間金融機関、政府系金融機関、信用保証協会、日本銀行、県、財務事務所)が地区ごとに一斉に早朝清掃活動を実施し、総勢4,000名が地域の道路や公園のゴミ拾いを行いました。
 今後もこの金融協議会が、福島県の復興計画を金融面から支えていくように一致結束して様々な課題解決にあたってまいります。

ふくしま復興応援・金融説明会(南相馬市)

早朝清掃活動(福島市内)

(社会保障と税の一体改革に関する特別委員会の地方公聴会)
 6月4日(月)に、衆議院の社会保障と税の一体改革に関する特別委員会の地方公聴会が福島市内で開催されました。
 現在、国会には社会保障・税一体改革関連法案が提出され審議されております。この日は、県内の自治体、経済界、社会福祉分野、医療分野などの関係者8名から意見が述べられ、出席した国会議員との質疑応答が行われました。
 このような会が被災地福島で行われた意義は大変深いものと思います。
 財務事務所は現地で会場準備などの手伝いをいたしました。

福島財務事務所長 中野伸二

平成24年4月27日

(川内村役場)

(避難区域の再編)
 原発事故に伴う避難区域の再編が徐々に進んでいます。4月1日には田村市と川内村の警戒区域が解除され、田村市は「避難指示解除準備区域」、川内村は「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」に移行しました。さらに、16日には南相馬市が「帰還困難区域」、「居住制限区域」、「避難指示解除準備区域」に再編されました。
 居住制限と避難指示解除準備の両区域はともに通行や一時帰宅が可能となります。また、避難指示解除準備区域では商店などの事業再開も可能となります。
 4月9日(月)に警戒区域が解除された川内村役場を訪問し、副村長と懇談しました。住民2,860人のうち、週4日以上村内に滞在している方は540人程度。帰還しない理由としては、放射能の影響、医療体制、生活インフラ、仕事などへの不安があるためとのことです。村では、年内には除染を完了すべく実施しているほか、診療所の再開や企業誘致など住民の帰還を促進するための課題に地道に取り組んでいます。
 村内の主要道路の交通量が意外にも多いことに驚きました。少しずつですが人と物の動きが始まっていることに意を強くしました。

(ふくしま復興応援・金融説明会(いわき市))

(ふくしま復興応援・金融説明会)
 ふくしま復興応援・金融説明会が4月17日(火)のいわき市を皮切りにスタートし、今後、県内8会場で開催されます。
 この説明会は、県内の民間金融機関、政府系金融機関、県、当事務所などが昨年の5月に立ち上げた「福島県震災復興金融協議会」が主催するものです。
 震災後1年余りが経過し、二重債務問題等でお困りの中小企業や個人の再建のための様々な支援措置が整ってきました。この時期に、再建への道筋を立てるためのお手伝いをする、また、そのような機運を喚起しようということで、4月から5月の2ヶ月間を「~ふくしまから はじめよう。~ ふくしま復興応援・金融キャンペーン」と銘打ってキャンペーン活動を展開していくことにしています。
 この説明会もその一環として行うもので、説明会では福島県における金融支援策、福島産業復興機構や東日本大震災事業者再生支援機構などの具体的な支援内容についてわかりやすく説明しています。
 初日のいわき市小名浜の「いわき ら・ら・ミュウ」で開催された説明会には会場いっぱいの250人ほどが訪れ、熱心に聞いていただきました。
 詳細なご案内は当事務所のホームページをご覧ください。

「明日の安心」対話集会

(岡田副総理が来福)
 4月21日(土)にいわき市の東日本国際大学内で「~社会保障と税の一体改革を考える~「明日の安心」対話集会」が開催されました。当日は、大講義室が満員になる130人ほどの来場者がお見えになりました。岡田副総理から日本の社会保障制度の問題点や消費税増税についての説明があり、続いて参加者との質疑応答が交わされました。歳出削減、消費税の価格転嫁、内税外税の問題など多岐にわたる意見・質問が出されました。
 岡田副総理は対話集会に先立ち、Jヴィレッジ、災害がれき置き場、焼却灰を保管する北部清掃センター、ホールボディカウンターがある市立総合磐城共立病院を視察されました。

福島財務事務所長 中野伸二 

平成24年3月28日

(犠牲者追悼式)
 今年の3月11日(日)は昨年と同様寒い一日でした。大震災から一年、東京で行われた政府追悼式と同時に、福島県内の各地でも追悼行事が行われました。福島市内では県庁前広場にキャンドルナイトの会場が設けられ、1万本以上のキャンドルが点火されました。冷たい雨が降る中、大勢の人が訪れ祈りを捧げました。シンガーソングライターの岡本真夜さんらのコンサートも催されました。家路につく頃には雨が雪にかわっていました。

(中野所長のキャンドルナイト)

(中野所長のキャンドルナイト)

(花見山公園 昨年)

(観光博スタート)
 東北観光博が3月18日(日)から始まりました。県内の観光地、温泉地、スキー場などの観光客は軒並み減少しています。この博覧会の様々なイベントを通して観光客を呼び戻し、東北の早期復興を目指しています。
 まだ始まったばかりなのでどのくらいの効果があるのか地元では実感できていませんが、これをきっかけに全国から東北に足を運んでいただければと思います。飲食店や土産物店で割引を受けられる東北観光博パスポートや「旅の駅」が用意されているようです。
 また、管内の地域金融機関でも様々な地域貢献の取組みがされています。例えば、会津地方の金融機関では会津観光をPRするDVDを制作して全国の同業者に送ったところ、これに応えて神奈川県の同業者の顧客約1,400人が団体旅行で県内を観光・宿泊したとのことです。このような地道な取組みがあちこちで行われています。
 今年の花見山公園ですが、畑の養生のため公園への入園はできませんが、花見山全体を見ることができるように周遊ルートを用意しており、臨時バスの運行や花案内人のガイドなどお迎えする体制は例年どおりとのことです。ぜひお越しください。

福島県震災復興金融協議会(第3回)

(震災復興金融協議会~キャンペーンを実施します)
 3月9日(金)に第3回目の福島県震災復興金融協議会が開かれました。この協議会は県内の地域金融機関、政府系金融機関、日本銀行、福島県、財務事務所等が一同に会して、県が策定する復興計画を推進するために金融面からの取組みを行う目的で、震災直後に結成されたものです。
 今回は、福島県から復興計画の概要について説明があり、続いて、3月5日から業務開始された東日本大震災事業者再生支援機構などから業務内容等の説明がありました。
 さらに、「ふくしま復興応援・金融キャンペーン」を4月~5月の間、実施することを決定しました。このキャンペーンは協議会メンバーが結束して、被災者の事業再開や生活再建に向け、これらの資金需要に積極的にお応えしていくこと、さらに、二重債務問題解決に関する周知を積極的に展開していくことで被災地の早期復興にお役に立ちたいとの趣旨で実施するものです。
 具体的には、(1)各金融機関が合同で被災者支援に関するキャンペーンチラシを作成、(2)国・県の施策説明会や相談会の実施、(3)協議会メンバーが合同で清掃活動を実施することが主な取組みです。
 震災から一年が経過しましたが、県内の金融団も頑張っているところをぜひ見ていただきたいと思います。
(知るぽると~香山リカ氏の講演会)
 3月15日(木)に、精神科医の香山リカ氏をお招きした「知るぽると講演会」が福島県金融広報委員会の主催で開催されました。演題は「ストレスに負けずに元気に生きる震災後のこころのケア」です。会場となった福島テルサのホールはご婦人方を中心にほぼ満員という盛況ぶりでした。
 講演の中で、「歌手のシンディー・ローパーが来日目的を「to celebrate」(被災者を称えるために来日した)と言ったが、被災者にとって、毎日緊張した状態で暮らすこと自体がストレスである。「お互いによくやってきたね。」と褒めあうなど、意識的に自画自賛しても良いのではないか」とお話されたのが印象に残っています。

福島財務事務所長 中野伸二 

平成24年2月24日

 2月10日(金)、復興庁が発足し、福島には復興局と南相馬支所及びいわき支所が設置されました。福島復興局は市内AXCビル7階にあります。復興庁は総理大臣が長となり、各省庁より格上の立場で総合調整を行い、予算の一括計上、箇所付け、配分などにも強力な権限を持っています。これは、役所の壁を乗り越え、縦割りの弊害をなくし、復興事業をワンストップで迅速に実行していくためです。
 また、予算についてもこれまでに18兆円程度が措置されています。復興の財源とツールが遅まきながらも揃ったといえます。今年はいよいよこれらを活用して本格的に歩みを進める年です。我々財務局・財務事務所としても、復興局と緊密に連携して業務を進めてまいります。

 中小企業等グループ施設等復旧整備補助金(いわゆるグループ補助金)の自己資金調達やつなぎ資金の問題について前回レポートしました。早速、2月10日(金)に地域企業を支援する関係機関(金融機関や商工団体等)が一同に会した「グループ補助金の円滑な執行に関する連絡会議」を東北財務局と東北経済産業局が共同で開催しました。

(スキー場の入込状況)
 県内には会津地方を中心にスキー場が点在しています。原発の風評被害はここにも及んでいます。1月中旬、北塩原村と猪苗代町を訪問し、入込状況について聞いてきました。県内13スキー場の12月末の入場者数は12.4万人、前年同期比で△16.5%となっています。
 この数値には修学旅行生が入っていません。猪苗代町には、例年約6万人の修学旅行生が訪れていますが、今シーズンは全てキャンセルとなったそうです。宿泊代やスキーレンタル等1人当たり単価が3万円とすれば単純に18億円の売上減少となるほか、付随したみやげ物等の売上も減少となるなど深刻な状況です。
 また、観光では会津若松と並び有名な喜多方市でも、一般観光客の客足は少しずつですが戻りつつあるとのことでしたが、修学旅行はキャンセルが相次ぎ前年比で△90%となっています。
 観光地を抱える市町村は商工会議所・商工会と共同で各種イベントを実施したり割引クーポン券やプレミアム付商品券を発行して、何とか観光客を呼び込もうと必死で取組んでいます。

(予算案のご説明)
 1月から2月にかけて、市町村長に24年度の国の予算案のご説明をするため11市町村を訪問しました。ご関心はやはり復興予算、中でも復興交付金でした。役場職員が不足しているため、復興交付金に係る計画策定がなかなか進まないといった話がありました。また、町の税収が激減しているため、25年度以降も交付税等に頼るしかないが、国のスタンスが分からず先々の予算編成の見通しがたたないことに不安を持っているとの話もありました。
 さらに政府には、除染、賠償問題、インフラ整備、雇用の確保等についてのビジョンをパッケージで示してもらわないと町の復興計画も作れないし住民帰還も進まないといった意見をいただきました。
 福島大学が朝日新聞と行った住民調査によれば、「震災前に住んでいた地域に戻りたいか?」との質問に、「戻りたい」と答えた人の割合が、昨年6月では79%、9月では65%、今年2月には58%まで減少しました。自治体トップの苦悩がここにあります。
 24年1月現在の福島県人口は200万人を切りました。震災前からは4.1万人の減少です。

(再び奥会津地方へ)
 2月9日(木)~10日(金)に只見町と金山町に行ってきました。7月末の新潟・福島豪雨災害の復旧の進捗状況を見て、その後の問題点をお聞かせいただくことが目的です。
 只見川や伊南川に架かる橋が流出し、建物や水田の浸水被害をもたらし林道や町道がずたずたにやられた激甚災害でした。
 只見町の積雪量はなんと2m10cm。雪は降り止みません。自分の背丈よりも高い雪の回廊に沿って慎重に運転します。東北の過酷な自然の脅威を垣間見た思いです。
 9月に訪れた際には国道252号線が落橋や土砂崩れにより通行止めとなっていたため山道を大きく迂回しなければなりませんでしたが、現在、只見町まで仮復旧していました。その先新潟方面はまだ通行不能です。
 「積雪時期までに仮設橋が通らないと孤立地区が出る(金山町)」と聞いていたので、果たして間に合ったのかどうかが一番の心配事でした。仮設橋は無事完成し供用されていました。町道の田沢橋が12月15日、国道252号線の二本木橋が12月20日に開通したそうです。住民の中には仮設橋を渡る際に涙を流しながら渡った方もいらっしゃったと聞き、思わず胸が熱くなりました。
 只見町では大雪の中、伊南川に架かる楢戸橋の復旧作業、小川橋の流出橋梁の撤去作業などが粛々と進んでいました。冬の渇水期にやっておく必要のある作業です。
 両町からは、災害査定に関して机上査定額の引き上げや航空写真活用を可としたことによってスピードアップが図られたことなどのお話しをいただきました。また、施行年限に関して、当地は豪雪地帯であり3年間の施行年限では完了できないことから柔軟に対応してほしい旨の話がありました。

(金山町 仮設橋)

(只見町 楢戸橋)

(個人版私的整理ガイドラインの街頭周知(福島駅前) )

(個人版私的整理ガイドラインの街頭周知)
 二重債務問題の対処策の一つとして「個人債務者向け私的整理に関するガイドライン」が昨年8月より適用開始されています。今般、このガイドラインの運用緩和が実施され債務者が手元に残すことができる財産が、これまでの99万円から500万円を目安に拡張されました。
 そこで、当事務所ではこれを周知するためパンフレットとカイロを配布することにしました。手始めに2月9日(木)がJR福島駅前、14日(火)JRいわき駅前、いわき市内ショッピングセンター、15日(水)南相馬市内ショッピングセンター、17日(金)相馬市内ショッピングセンターなどです。
 他に仮設住宅への配布、新聞やバス広告なども予定しています。とにかく出来ることは何でもやろうとの意気込みです。

(広野町 仮置き場)

(除染モデル実証事業)
 県内では12市町村で除染モデル実証事業が実施されていますが、その一つである広野町の仮置き場を見学してきました。
 役場や小中学校等の除染で出た土壌や草木等の除去物がコンテナバッグに小分けされて、海岸近くの町有地に掘削整備された仮置き場に運搬され、クレーンで積み重ねられていきます。無造作に積み重ねるのではなく、放射線の強弱を勘案して積み重ねているとのことでした。また、遮水や飛散防止措置も施されています。
 除染には膨大な作業と費用が必要となります。また、仮置き場の問題も一つ一つ解決していかなければなりません。県内ではこの春から本格除染が始まります。

福島財務事務所長 中野伸二

平成24年1月20日

 今年は被災地では言うに及ばす全国民が特別な思いで新たな年を迎えたのではないかと思います。
 被災地の復旧・復興は一歩一歩進んでいます。政府の対応が遅いとお叱りを受けましたが、4次にわたる補正予算と24年度予算案により加速されつつあります。
 私は年頭に、
 (1) 復旧・復興のために最大限の努力をする。
 (2) より一層の「国民目線」で対応する。
 (3) 職員一丸となって困難を乗り越え、国づくりに取組む。
 そして、「このような時だからこそ我々公務員がその使命を全うすることが求められている。何ができるのか考えて行動しよう。」と訓示しました。

 (石川郡、田村郡の町村を訪問)
 昨年12月19日(月)から20日(火)にかけて、小野町、石川町、玉川村を訪問し町村長と懇談しました。この地域は学校、体育館などの公共施設を中心に地震被害を受けました。また、玉川村は全世帯の1/3程度が半壊・屋根損傷等の被害を受けました。そのような中にあっても、これらの町村は浜通り地域から原発避難者の受け入れ支援を懸命に行ってきたのです。
 さらに、石川町や玉川村は台風15号の被害もありました。被災額的には台風の方が大きいとのことでした。災害復旧事業の査定が終了し復旧工事が進められています。
 観光の風評被害も例外ではありません。小野町のリカちゃんキャッスルの入場者数は6~7割減とのことです。こうした中、石川町では母畑・石川温泉郷の宿泊客に対して「元気アップ温泉利用券1千円」をプレゼントしており、その効果もあり徐々に宿泊客が戻ってきているとのことでした。
 ある首長からこんなお話がありました。 「震災・原発で福島県には相当な額の税金が入っているが、そのうち「なぜ福島だけなのか」という他県の声が出てきてもおかしくない。我慢強くて、常識的な県民性を失うようなことがあってはならない。目先だけを考えるな。全国から応援してもらえるような行動をとらなければならない。」
 必要なところに必要な予算をつけることは言うまでもありませんが、復旧・復興予算とて血税であります。一円の無駄もなく効率的に執行していかなければならないことは論を待ちません。

 (グループ補助金について)
 12月下旬に県内の商工団体などから、中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業(いわゆるグループ補助金)についてのお話を聞きました。
 まず、皆さんの意見が一致していたのは、この補助金は二重ローン問題に陥っている中小企業には非常に有効な制度であり、早期の企業・経済再生に大きく貢献しているということでした。
 その上で、補助裏(1/4)の自己資金や補助金交付までのつなぎ資金などの資金繰りの問題等を懸念する声がありました。
 このような懸念を払拭するためにも、地元地域金融機関が持つ金融仲介機能をフルに発揮して、積極的な資金供給とコンサルティングを展開してもらうことが必要ではないかと思います。

(いわき市 災害査定・立会現場)

(災害査定・立会に同行)
 12月26日(月)、いわき市四倉漁港の災害査定・立会に同行しました。福島県港湾課、水産庁及び東北財務局の係官が出席しました。
 地震により沖防波堤と防砂堤が沈下したため現状に復旧させる必要がありますが、3者が一同に現場を見て事業費を即決します。
 県内漁港の査定は20キロ圏内を除き、四倉漁港が最後です。

(広野町 住宅除染現場視察)

(安住財務大臣が広野町を訪問)
 年明けの11日(水)、安住財務大臣が広野町を訪問されました。本省からは主計局長と官房長が随行されました。
 広野町は双葉(ふたば)郡の南端に位置し、いわき市と隣接しています。昨年9月30日に緊急時避難準備区域の指定が解除されています。町では12月以降、役場機能の復帰を開始しており本年3月までに完全復帰し、4月以降町民の帰還を開始したいとしています。
 大臣は、福島第一原発の作業基地となっているJヴィレッジを視察した後、町内の除染モデル実証事業を行っている日本原子力研究開発機構の鈴木理事長から説明を受けながら、役場前庭、住宅、小学校の除染現場を視察しました。その後、広野町役場に戻り、町長らと懇談しました。
 懇談内容について記者団に「除染事業は膨大な時間とエネルギーを必要とする事業。我々としても息長くサポートしていきたい。広野町役場が稼動したり、住民の皆さんに帰っていただけるような環境を作ればこれが大きな起爆剤となっていく。ぜひ除染等の作業についてスピードアップを図ってやれるような体制を作っていきたい。」と述べられました

戒石銘

(戒石銘について)
 1月13日(金)、二本松市に役場機能を移転させている浪江町役場に馬場町長を訪ねた帰り道に霞ヶ城公園に寄りました。公園の入り口、丹羽公時代にお城の通用門のあった地点に巨大な自然石があります。ここには藩士の戒めとするため四句十六字が刻まれています。
 爾  俸  爾  禄
 (なんじのほう なんじのろく)
 民  膏  民  脂
 (たみのこう たみのしなり)
 下  民  易  虐
 (かみんは しいたげやすきも)
 上  天  難  欺
 (じょうてんは あざむきがたし)

 「おまえの俸禄は、人民が脂して働いたそのたまものより得ているのである。お前は人民に感謝し、そしていたわらねばならぬ。もしこの気持ちを忘れて弱い人民たちを虐げたりすれば、きっと天罰があるであろう。」
 現代の公務員に対する戒めと心得たいと思います。

福島財務事務所長 中野伸二 

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